第6回フォルテピアノ・アカデミー

プロデューサー/講師  小倉貴久子の紹介

【ごあいさつ】

フォルテピアノに特化したアカデミーです。作曲家は目前の楽器からインスピレーションを得て作曲しました。個性豊かな楽器でのレッスンは、新たな扉を開いてくれることでしょう。レッスンの聴講も愉しく有意義な時間をお過ごしいただけます。「音楽の友」や「ムジカノーヴァ」などでも毎年注目を集めているアカデミーです。

今回はゲスト講師に平井千絵さんと西野晟一朗さんを迎え、18世紀から19世紀初頭にかけての打弦鍵盤楽器が11台登場します。イタリアでクリストーフォリによって発明されたピアノが、ドイツのジルバーマンに伝えられます。その弟子たちがイギリスに渡りスクエアピアノの製作を開始。産業革命の影響を受けてブロードウッドが新時代のフォルテピアノを生み出しました。かたやドイツではシュタインが別アクションによるフォルテピアノを発明し、ヴァルターに受け継がれていきます。常に作曲家たちの傍にあったクラヴィコードや、タンゲンテンフリューゲルなど、普段身近に触れることのできない鍵盤楽器が並ぶ豪華なアカデミーです。レッスンやレクチャーに加えてワークショップなどのイベントも充実しています。

フォルテピアノの魅力にどっぷり浸る夢の4日間をご一緒しましょう!

小倉貴久子 Kikuko Ogura 

東京藝術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞つき首席卒業。日本モーツァルト音楽コンクールピアノ部門第1 位。ブルージュ国際古楽コンクールアンサンブル部門及びフォルテピアノ部門で第1 位と聴衆賞受賞。さまざまな時代楽器を弾き分け、幅広いレパートリーで活躍。NHK『クラシック倶楽部』『ららら♪クラシック』などへの出演や、NHK『カルチャーラジオ 芸術の魅力』の講師を務めるなど、TV、ラジオへの出演も多い。浜松市楽器博物館コレクションシリーズの録音も高い評価を得ている。50 点以上リリースのCDの多くが朝日新聞、読売新聞などの各新聞紙上や「レコード芸術」誌等で推薦盤や特選盤に選ばれている。平成24 年度文化庁芸術祭レコード部門〈大賞〉受賞 。第30回(2017年度)ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門〔独奏・独唱部門賞〕、第48回(2018年)JXTG音楽賞洋楽部門奨励賞、令和3年度「下總皖一音楽賞」受賞。著書にカラー図解『ピアノの歴史(CD付き)』(河出書房新社)。校訂楽譜『ソナチネ音楽帳』(音楽之友社)『ジュスティーニ:12のソナタ集』『バロック名曲集』(カワイ出版)。共著や監修に『フォルテピアノから知る古典派ピアノ曲の奏法』(ONTOMO MOOK)、『よくわかるピアニスト呼吸法』『すぐわかる!4コマピアノ音楽史』(ヤマハミュージックメディア)。最新CDの2枚はベートーヴェンの後期ソナタを収めた《ハンマークラヴィーア》《nuovo vivente》(ALM Records)。シリーズコンサート「小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》」全40回を2019年12月に完結。北とぴあではシリーズ【小倉貴久子と巡るクラシックの旅】が好評を博した。今は「小倉貴久子《フォルテピアノの世界》」シリーズを好評展開中。東京藝術大学講師を19年間務める。東京音楽大学非常勤講師。

メヌエット・デア・フリューゲル/小倉貴久子のページ


講師

講師 平井 千絵 Chie Hirai

車のなかった時代のピアノ、フォルテピアノに魅せられ、活動中。国内外で15枚のアルバムをリリース。ブルージュ国際古楽コンクール3位、IYAP国際室内楽コンクール1位など国内外で入賞多数。欧州各地の音楽祭に出演。フォンティス大学、オランダ王立音楽院、アムステルダム音楽院等で、後進の指導にあたった。欧州では14年間現代ピアノに触らず、フォルテピアノのタッチを追究。桐朋学園大学ピアノ科卒業、オランダ王立音楽院古楽科(修士)首席卒業。

東京藝術大学、国立音楽大学、東海大学非常勤講師。浅間山の麓、長野県佐久市在住。(写真:Atsushi Yokota)

平井千絵のページ

講師 西野 晟一朗 Seiichiro Nishino

桐朋学園大学古楽器科チェンバロ専攻を卒業。チェンバロ、通奏低音を有田千代子、上尾直毅、根本卓也の各氏に、フォルテピアノを小倉貴久子氏に師事。第4回フォルテピアノ・アカデミー SACLAではクラヴィコード、タンゲンテンフリューゲルのコンサートと、クラヴィコード・ワークショップの講師を務め好評を博した。アルル音楽教室チェンバロ講師。コンセール・エクラタン福岡チェンバロ奏者。新・福岡古楽音楽祭2023にて寺神戸亮氏と共演。


製作家・修復家・楽器提供・楽器管理・調律

製作家、修復家、トーク 太田垣 至 Itaru Ohtagaki

 フォルテピアノ製作家・修復家。クラヴィコード(Ⅴ)、ヴァルター(Ⅹ)は太田垣製。修復家としての信頼も厚く、スクエアピアノ(Ⅺ)の修復も手がける。浜松市楽器博物館、国立音楽大学楽器学資料館の楽器管理を任されている。国立音楽大学非常勤講師。

 当アカデミーは、Ohtagakki Fortepianoの全面的な協力のもと開催に至っている。

製作家、トーク 久保田 彰 Akira Kubota

1981年に久保田チェンバロ工房を設立。日本各地のホールに常設チェンバロを提供。2005年にクリストーフォリ・ピアノを製作し、近年ではさまざまなフォルテピアノの製作に取り組む。

当アカデミーには久保田彰の製作したクリストーフォリ(Ⅰ)、ジルバーマン(Ⅱ)、タンゲンテンフリューゲル(Ⅲ)が提供されている。